古今東西ANTHOLOGY

神戸大学の音見鶏と、近畿大学DTM作曲サークルEffectosの
合同コンピレーションアルバムが、ここに実現しました!
テーマは【東洋&西洋の物語】
音見鶏は東洋の、Effectorsは西洋の神話や昔話をテーマに
自由な発想で、作曲に挑戦します!

東洋

1. 朱雀
題材:中国神話
本当は青龍・白虎・朱雀・玄武合わせた曲を作るつもりでした(笑)
02. 輝夜に別れの解答(こたえ)を
題材:竹取物語
さよならの背景はいつでも美しい
Lyrics
紅く染まる月と白く灯る吐息の揺れる窓辺
時間 -とき- が終わるみたい
帰る背中に kiss -くちづけ-

全てを知らぬ貴女の涙
染みこみきれず霞と消える
平気なふりで笑ったぼくを許してくれと夢見た

奇跡を拒んで顔を伏せて
理解してほしいなんてそんな冗談やめて
睫毛の先刺さったのは
色褪せた写真から問いかけるような視線 -まなざし-


青い夜と黒い影が過ぎ去っていくのをただ見ていた
現在 -いま- を信じることすらも上手くできはしない

全てを知った貴方の指は誤魔化しきれず硬く震える
それでもそばにいたいと願う
浅ましさだけ隠して

- 暗転 -

舞台の終焉なら美しかったものよ
自己満足な悲劇
言い忘れた別れのため振り返った瞳には
妖しげに微笑む貴女


「永遠の前にひれ伏し」
「一瞬の愛に溺れて」

「全ては別れのためよ」
「全てを知ろうとした罰だ」

「ただただ愛を知りたかった」
「ただただ永遠を信じてた」

「それでも」

「貴方を傷つけた」「貴女を傷つけた」


全てを知った二人の恋は燃え尽きるにはまだ早すぎた
脚本家などどこにもいない
真実だけを抱えた


解答 -こたえ- を……


奇跡を赦して手を伸ばして
理解したふりをしても覆せない昨日
時間切れの鐘が鳴って舞い上がれ美学よ

嗚呼
「最初から……」なんて言いたくもない
03. Pasand Mumtāz
題材:両手を切り落とされた工匠
ただ愛するだけでも罪なのでしょうか...
04. 七夕伝説
題材:七夕伝説
登場人物は二人なので、旋律も二つ。いつか歌詞をつけたいです。
05. 胡蝶之夢
題材:胡蝶之夢
……そして私は, 夢の中でも私だったのだ——他の誰でもなく!
06. 星掬いの静葉槌
題材:日本書紀・神代下・葦原中国平定
ほしすくいのしづはづち、と読みます
Artcoreのつもりで作りました。

建葉槌命は不思議な伝説を持つ機織りの神様で、
日本神話最強の武神たる武甕槌神や経津主神も御せなかった
不順(まつろ)わぬ星神・天津甕星を服従させたという伝説があります。
昔の戦を古戦場で振り返るように聴いてください。
07. 足りないもの
題材:スーホの白い馬
皆さんご存知のスーホの白い馬がテーマ(のつもり)です。
悲しいお話だけどすごく悲しいまではいかないと思ってまぁまぁ明るく素朴な感じを目指しました。
せっかくなんでモリンホールっぽい音を入れてみたかったんですけどムリでした。かなしい。
08. 大海原の神話
題材:「日本書紀」「古事記」神代の巻
住吉大社に伝わる伝説を描こうとしたのですが、雑談の中で音原に話したら次の日には取材旅行に行っていました。
というわけで軽く構想を伝えた結果、旋律一切なしのロングトーンができあがったようです。心してお聴きください(life)
09. 三つの義
題材:三国志
展開を多く仕上げてみました。三国のそれぞれの義が交錯するようなイメージが持てたら幸いです。
10. ゆきのある日
題材:雪女
雪女との出会いと短い平和な生活。
解釈は色々ありますが、私はノーマルに彼女が生きている世界のルールに反して若者を助けたからそれは知られてはならなかったが若者が口にしたので知られてしまい、
その後消えてしまったと思っています。
11. 天ノ川鐵道ハ征ク
  • Music | stella
  • Vocal | 初音ミク
題材:銀河鉄道の夜

「川だど云われたり、乳の流れたあとだと云われたり、―そんなものを隣に眺めていた。
光が向かいの席の人影を照らし出す。微笑を浮かべるその顔は、ひどく透明だった。」
     
最近、銀河鉄道に乗ってみたいなあとよく思います(しかしそれは死亡フラグ)。
それはさておき、もし作曲者の我儘を聞いてくださるなら、是非ともモチーフ『銀河鉄道の夜』を読んでから聴いていただきたいです。
より一層イメージが膨らむはずですよ。
Lyrics
丘の上の駅 プラットホーム
君は立っていた
乾いた夏風に 髪を靡かせ

発車ベルの音
行き先はどうでもよかった
祭り模様の街を ただ抜け出したかった

宙に舞う汽車
  街明かりと
青い灯(ほのお)が
小さくなって
僕らがいた惑星(ほし)までも
気づけば彼方

銀河ステーションで地図を買って
―まもなく白鳥の停車場

天の河原 空のすすきが
風に揺れている

夜空を走る列車に乗って
君と二人 宇宙の果てまで
この旅路の結末なんて
不思議と 今は気にならなくてさ

車窓を流れる彗星(ほうきぼし)
君はどんな顔で見ていたんだろう


桔梗色の空
列車と並び走る大河
水素よりも透いた
水面と君の瞳

鷲の翼
双子の宮
星巡りの笛が聞こえる
赤く燃える
蠍の心臓が綺麗だ

仄かな苹果(りんご)の香りが
何故か悲しくて

夜空を走る列車に乗って
君と二人 何処までも遠く
根拠のないそんな話も
なんだか 今は信じていたくて

不意に零れかけた言葉は
車内アナウンスに消えていく

夜空を南へ
ケンタウルの村を越えて

ねえ 幸せって何だろう?
云いたいことがあるんだろう?
なあ?


夜空を走る列車に乗って
君と二人 宇宙の果てまで
南十字(サザンクロス)の向こう
空の孔が 口を開いている

(…わかってるよ)

夜空は気付けば二人ぼっち
忘れないよ 星巡りの旅
孤独が僕等を灼いたって
またさ ホームで待ち合わせをしよう

石炭袋に飛び込んだ
僕は最後まで笑顔で云えたかな

「さようなら」

西洋

01. Welcome to the Valhalla
題材:ヴァルハラ(ゲルマン神話)
02. ニンフ
題材:ニンフ(エジプト神話)
03. Ouroboros
題材:ウロボロス(エジプト神話)
04. Olympos
題材:オリンポス(ギリシア神話)
05. シンデレラは夜を想う
  • Music | ねお
  • Vocal | 闇音レンリ
題材:シンデレラ
Lyrics
夜明け前のすきまを あまいため息でうめた
なごりおしんで   糸をつむいだ
時間をわすれて   世界に浸った

キミが残したきずあと
いたいよと
キスはどうだったんだろう
夢のまにまに うすれていくのを止めないと

意味をもたせたしるしに
キミを想っているのは
わたしだけ
一生とけないまほうをかけてよ


キミがゆらす空気を吸った
  すべてをゆるせるそんな気がした
だれもしらないおはなしだから
わかってた あっけない 終わりかたも

キミに残したきずあと
つめあと
いたみを忘れないでよ
あの香りさえ思い出せない夜がこわい

意味をもたせたしるしは
淡く咲いてとけていった
それならいっそ
消えてなくなるまほうをかけてよ