~プロローグ~
世界には、空に浮かぶ国チスルと、海に浮かぶ大陸エルタータが存在した。
エルタータ族の首の下には青と緑に光る宝石オトミドリが存在し、それにより魔法を使うことができた。
一方、チスル族はオトミドリを持たない代わりに頭脳明晰で、科学技術により文明を発展させた。
長い間、両国は争いなく暮らしていた。しかし、チスル前王カルマン暗殺後ローライザーが即位してから、現王はオトミドリでチスルを繁栄させようと多くのエルタータ族を殺し、オトミドリを奪った。
エルタータ王国の姫エルーシアはこの非道な行いを止めるべく、チスルを目指す旅に出た。
エルーシアは皆に別れを告げ、王国を出た。城下町は市場や武器屋で賑わいっている。彼女は酒場に入り、チスルへの行き方を尋ねた。城下町を下ると始まりの村に着いた。日が暮れてきたので、宿屋で泊まることにした。
翌朝、町の外れにあるミドリの森に入った。すると突然、魔物が現れた。
呪文を唱えようとするも攻撃が続き、魔法が使えない…!そう思った矢先、剣士が現れ、魔物を退治した。少年に連れられ森を抜けると、浜辺の村に着いた。
少年の名はレオン。話を聞くと、彼は村一番の腕のある剣士で、彼の母親はチスル族に殺されたそうだ。エルーシアは彼にも旅に同行してもらうことにした。
村の奥には洞窟があった。中は暗く、クリスタルから放たれる明かりを頼りに出口を目指した。しばらくすると開けた場所に出たと思った矢先、洞窟が揺れだし、巨大な魔物が現れた。
なんとか魔物を倒し、光の方へ進むと魔法都市に着いた。チスルとエルタータは雲を超えて離れており、登るには転送魔法装置が必要だった。二人はそれに乗り、天空に浮かぶチスル城を目指した。
天空城はエルタータののどかな様子とは異なり、無機物な迫力があった。彼女たちは覚悟を決め、城の最奥へと足を運んだ。兵を避けながら、遂に王ローライザーのもとに辿り着いた。
「チスルの王ローライザーよ、今すぐエルタータの民を解放せよ!!」
「オトミドリを使い、我が国は次の段階に進むのだ!!」
エルーシアは非道な行いをやめるよう懇願したが、想いは届かなかった。
―この戦いで全てを終わらせる―
そう誓い、彼女たちは戦った。
ローライザーを倒した後、エルーシアは浜辺の村でレオンに別れを告げた。ふと浜を見ると、夕焼けに染まった海と、いつもと代わらない天空城の姿が見えた。
長きに渡る戦いを止めることができたが、争いはいずれ生まれるだろう。しかし、後世も平和であるよう、私はこの地を収めるつもりだ。
エルタータ国王女エルーシアは想いを胸に、王国を目指した。
~Fin~
真田 翔: オトミドクエストから3年―
音見鶏Presents待望のRPG第二弾!!
架空のRPGゲーム「Otomido Fantasy」のサウンドトラックです。
是非、プレーヤーになったつもりでお楽しみください!